一、吾人ハ分離独立ヲ主張サレル一部緒師ノ熱意ニハ敬意ヲ表スルモノデアルコト。
二、然レドモ「宣言」ニ指摘セル如キ教団ノ危機ハ今日寧□教団ノ大同団結ヲ要求シツ々アリト思考サレルコト。
三、故ニ吾人ハ三宗派ヲ解消シ現宗門ヲ樹立セシ時祖霊ニ誓ヒシ事ヲ内省シテ教団革新ノ為梃身スベキト信ズルコト。
四、而シテ、什祖精神コソソノ基底ヲナスモノニシテ吾人ノ行動ハ断ジテ現状ヘノ妥協居座リニ非ズ破邪顕正ニ存スルコト。
五、本革新運動ヲ以テ徒労トナサレル向モ存スルヤニ予想サル々モコレニ対シテハ次ノ如キ諸点ヘノ明察ヲ切ニ乞ヒタキコト。
イ 宗教家ノ仕事ハソノ掲ゲル理想ガ高邁デアリ破邪ノ信念ガ純粋果敢デアル限リ、外部的成果ノ失敗自体ガ却ッテ高キ意義ト光ヲ持チ得ルモノデアリ、コノ点事業家ノ事業ト区別サルベキモノデアルコト。
ロ 旧日蓮宗内部ニモ宗門革新ノ要望ガ高マリツ々アリコレト相携ヘテ運動勢力ノ拡張ト目的ノ達成ヲ期図シウル客観状勢ノ存スルコト。
ハ 宗門革新ハソノ外部ニアッテ之ヲナスヨリモ、内部ニアッテ之ヲナスヲ強力、有効デアルト考ヘルコト。
六、シカルガ故ニ吾人ガ分離独立以前ニ採ルベキ手段、果スベキ義務ノ最善ヲ盡サザレバ独立ニ対スル正々堂々ノ大義名文ノ立タザルコト。
以上敢て自らの不徳を顧るの暇なく聊か卑見を開陳させて戴きました。願くは貴師憂宗護法の精神を以て我等が微力を扶け、この大義の旗の下「門流分裂」の危機を救ひ堂々の戰に参じ賜はんことを。
茲に敢て哀情を披して、伏して懇願申上げる次第でございます。
敬 具
(昭和二十二年)二月二十八日
日蓮宗革新同盟
什門流準備委員代表
草切 信栄
森川 泰修
岡松 乾丈